— 前書き —
ひろさん主催の陶片追放トリプルに参加してきました。ルールの云々よりも気になるのは大会名“陶片追放”トリプル。“陶片(とうへん)”とはなんぞやと思い広辞苑を開いた。
——見当たらない。
「え…?」純粋に頭の中を疑問符が埋め尽くした。大会名に造語を用いる……とは思わない。読み方を間違えているのか? とも考えながら『とうへん』の項目を右往左往していたら『陶片追放』という単語を見つけた。
『陶片追放』オストラキスモス。
古代アテネの制度。ざっくり言うと選挙で怪しい人を国外追放してしまおうよ、という制度らしい。ポケモンには関連が全くないが、それを大会名に持ってくるあたり主催者はなかなか知見が深いらしい。考察をしっかりしていないと喰われかねないので気を引き締めていこう。
⓿【構築経緯】
古代アテナに習い、参加者7名は“使われたくないポケモン”に投票した。結果は以下の通り。
[使用禁止ポケモン]以下9体
[使用制限ポケモン]以下11体
ファイアロー、ゲンガー、サンダー
◯使用禁止→その名の通り使用できない。
◯使用制限→パーティーに1体採用可能。
私はバンギラスを使うつもりで票を投じた。邪魔になりそうな威嚇枠のランドロスとクチート、雨始動のニョロトノ、純粋に嫌なテラキオンを追放することが出来た。追放結果は上々。これで心置きなくバンギラスが暴れられる環境が出来た。と思っていたのだが、バンギラスで有利なポケモン筆頭のヒードランやリザードンも一緒に制限を食らっていた。
こうなると前提が変わってくる。有利なポケモンの前で竜の舞を積み、相性関係を逆転させつつ狩り取っていく。メガバンギラス特有の強みが活かせなくなってしまった。
他にも悪い点がある。主要はがね枠のギルガルドやナットレイ、準はがね枠のキリキザンやドリュウズが使用制限にかかった。その癖サーナイト、トゲキッス、チルタリス、マリルリと言った面々は制限すらかけられていない。フェアリーの一貫が凄まじいのだ。猫騙し役はかくとうタイプに任せるパーティーを作る関係でフェアリー弱点が2体になってしまう。この環境下でそれは流石にマズい。バンギラス主軸のパーティーは解散するしかなかった。
考えるべきはどのポケモンを主軸にするか。ねこだまし枠をどうするか。主催者のようにそもそも使わない構築を組むか? いや。大会1発勝負の場であまりにも博打がすぎる。それでもフェアリーの一貫を考えると…。
逡巡する思考の最中、そもそもねこだましを使える強いポケモンは何もかくとうタイプだけではないと気づいた。
バンギラスの障害になると考えて私だけが投票したポケモン。まさか私が使う側に回るとは思いも寄らなかった。カメックスに票を投じた人がいなくてホッとした瞬間だった。
❶【パーティー紹介】
ジャローダ×カメックスの湿原展開を軸にしたパーティー。ジャローダとカポエラーでワイドガードを剥がしながら範囲打点を振り回す。以下個体解説。
❶-① カメックス
HCベースであまりをDに回した。
かくとうタイプではないねこだまし使いとして採用するはずだったポケモン。何もねこだましは使うことより『あるかもしれない』と思わせることに意味があるので良しとした。
湿原展開用のみずのちかい、高威力範囲技のしおふきは確定。ルール上強ポケモンのメタグロスやトリル使いへの有効打としてあくのはどうを採用。あと1枠は場持ちを良くするためのまもるとした。
❶-② ジャローダ
HSベース。あまりをBDSに振り分け。
メガメタグロスや準速メガボーマンダより早い誓い要員。偉い。ジャローダ×カメックスの湿原パーティーの構築記事を参考に技構成を決定。挑発はしんぴのまもりに変えた。参加者の中にデデンネを相棒とする方がいたので。ほっぺすりすり対策。
持ち物はファイアローやメガボーマンダ意識のバコウの実。正直ラムの実でもいいかも。このルールで1番厄介なのは使用制限ポケモンへの対処もしておかなければいけないことだと思う。
❶-③ トゲキッス
流用個体ドコドコ┗(^o^)┛ドコドコ┏(^o^)┓。
ピントレンズ×きょううんで急所を狙うフェアリー範囲打点要員。ニンフィアの代わり。ニンフィアを使いこなせるならニンフィアが良い。
(つぶらなひとみとあまえるを覚えたイーブイがエーフィに進化するバグに遭遇しているので、私はニンフィアを避けている)
KP1位候補のカポエラー意識で単体打点を積むかは悩みどころ。前にハイパーボイス1ウェポンのメガサーナイトがカポエラーに苦戦したから。変える場合ははねやすめをエアスラッシュだと思う。
❶-④ シャンデラ
HB-特化メガメタグロスのダブルダメいわなだれをオボンの実込み確定3発
S-S20振りメガサーナイト抜き
トリルパーティーへの牽制。ほのお範囲打点要員。メガサーナイトとのふういん合戦に負けないようにSにがっつり割いた。技構成はある方の丸パクリ。似たようなルール下の個体だったのでいじる技がなかった。先駆者に感謝。
❶-⑤ カポエラー
流用個体ドコドコ┗(^o^)┛ドコドコ┏(^o^)┓。
フェアリー環境であろうと結局入ってきたねこだまし要員。いかく枠も兼ねる。流用元はゴツゴツメットを持っていたが、仮想敵が軒並み制限をかけられているので却下。イメージするのは場に居座らずに受け出して戻っていく動き。擬似サイクルの動きが出来そうなだっしゅつボタンを持たせた。
ミラーを意識するなら最速個体を新規育成する必要がある。だが、初手ジャローダ+トゲキッスorシャンデラ+カメックスを想定しており、ミラー意識の最速は生きないと踏んでいる。運用方法はハリテヤマのそれに近い。
❶-⑥ メタグロス
S-S4振りFCロトム抜き
何故か制限ルールでいつも生き残っている真っ当なはがね枠。ギルガルドとヒードランがいなければ強いだろうと思っての採用。ガルーラやクチートの高火力ふいうち使いもいない。なんだ、このルール最強とはメタグロスのことだったらしい。
タイプ一致のアイアンヘッドとしねんのずつき。メガボーマンダ意識の冷凍パンチ。狩り残したフェアリーを叩ける先制技のバレットパンチ。範囲打点を振り回すパーティーなのでこの構成で落ち着いた。実はメタグロスもある方のパクリ。技はヒードラン意識の地震からしねんのずつきへと変更している。
— 個体変更 —
HBD-A44振りカポエラーのねこだまし+C36振りメガサーナイトのダブルダメハイパーボイス×2確定耐え
HD-C4振りサンダースのりんしょう+特化プレートニンフィアのりんしょう確定耐え
S-準速60族抜き
努力値調整しないのは怠慢だと思い個体変更した。HBD以外の振り分けには意図はない。準速60族は環境にいなさそうなので。強いて云うなら素早さに降らないトゲキッスは使いにくそうだと思った。余った中で最大限活かしたと思う。
初手で湿原を展開できない場合のサブプランとして追い風を搭載。試運転していてジャローダ側に毒タイプがいた場合ジャローダ交代メタグロスorカポエラーという場面が頻発。その場合のメガカメックスが孤立無援状態。打開策として湿原以外の素早さ操作が欲しいと思った。
持ち物はじゃくてんほけんに変更。隣に並べるジャローダとカメックスはトゲキッスと弱点が被ることに気づいた。このゆびでターゲット操作して弱点をもらう動きが強そう。もっともファイアローのブレイブバードを吸う予感しかない。
S-無振りギャラドス抜き。
素早さに全く振らないカメックスが使いにくかったので調整。トゲキッスに追い風を搭載したことにより、追い風下で130族を抜けるようにした。
[前日譚]
現状の試運転成績は10勝1敗。充分戦えている。ただ初心者の方やコンセプトパーティーばかりに当たっている。立ち回りを学ぶことが出来ない。強い人の捌き方を学ぶために週末トリプルに参加することにした。そうして始まった1回戦。相手は…
「は?」頭の中を疑問符が埋め尽くした。
・リザードン→使用禁止
・ランドロス→使用禁止
・ギルガルド→使用禁止
対策枠“なし”
リザードンと当たらなければ学べると思ったのに。初手からリザードンが来るのはおかしい。しかも対戦相手はつゆさん。上位入賞筆頭。オワタ。
相手のジャローダがカメックスにリーフストームを撃たない読み総攻撃。読みは的中。サザンガルドの相性でいなされて追い風される。次ターン中央リザードンの熱風でゲームセット。おわり。
……普通に見れば、負け試合終了お疲れ様でした寝る(早口)までがワンセット。だけど勝つために試合をしたわけじゃない。“学ぶために”試合をした。そして見えてきたものはある。
・私の読みは当たる
・ジャローダ側での鋼タイプバックは安定行動
対戦時間10分未満2ターン決着の試合。得られたものは上々。配信でどう云われているかを想像したら癪なれど、明日以降の大会で勝てばいいだけ。
❷【各試合の振り返り】
今まで出た試合とは異なる。1日で大会は終わらない。日にちを分けて対戦を行うことになる。
※敬称略
[1戦目] そーなんす 2-5で降参。
サーナイトスタン。制限ポケモンはファイアロー。レボルトを考えると基本選出が出来なさそう。ファイアローやカポエラーの睨みもキツい。初戦から基本選出ガン無視で戦うことに。
中央のレボルト無双。電気弱点を置かない選出をしたにも関わらず倒せない。相手は単体打点でこちらを削る。追加効果も併せて。
どうにかレボルトだけは倒したけど中央メガサーナイトのハイパーボイスの一貫を作られる。タイプ受けポケモンは既に満身創痍。なす術なく負けた。
…バンギラスを捨てたことを早速後悔している。
[2戦目] デザン 2-0で勝ち。
サーナイトスタン。制限ポケモンはファイアロー。同日に同じメガポケモンと制限ポケモンとかち合うとは…。トリル妨害用の基本選出で対戦。
初手サナサザンハリテ。トリルか追い風かわからない。どちらにせよシャンデラバックのトゲキッス。次のターンから湿原を展開した。
中盤相手の守るとワイドガードに悪戦苦闘。私が素直に動きすぎなのかも。ウィンディが耐久型だったこと。サザンドラの悪の波動をメタグロスが耐えたことで勝つことが出来た。かろうじて勝利。
[3戦目] ユカ 5-1で勝ち。
バクーダトリパ。制限枠はニンフィア。対トリパ用の基本選出で対戦開始。
中央カポエラーの端サマヨールで見た目通りトリルを打ってくると予想。ただここでアクシデント。よこどりとふういんを同時に押してしまう。心の中であたふたしていたら相手のサマヨールもよこどりした。どうやらサマヨールでふういんよこどりしながらエーフィでトリルを貼る算段らしい。“エーフィはNOタスキ!エーフィはNOタスキ!!”と心で念じてエーフィを倒すことに成功。タスキだったらトリルを張られて終わっていた。セーフ。
中盤以降はカポエラーを置き物にしながらカメックスの対角にいるポケモンを1匹ずつ倒していった。綺麗に詰められたと思う。
[4戦目] Schun 1-2で降参。
バンドリマンダミロ。制限枠はドリュウズ。ジャローダが生きているうちにミロカロスを処理しておきたい。基本選出を少しいじりカポエラー中央で対戦開始。
思惑通り初手に出てきたミロカロスを吹っ飛ばし意気揚々。裏から出てきたエルレイドにトリルを張られる。と気持ちが乱高下した状態で対戦は進んでいった。
終盤。バンドリマンダvsジャロカメキッスの3対3。中央バンギラスを倒したくてジャローダのリーフストームを当てたところで勝敗が決した(というか追い風下のバンギラスよりジャローダの方が早いことに気づかなかった)。そこで2回目の湿原を展開できていたら巻き返していたかもしれない。というタラレバ。自身の経験の浅さ、相手の諸々のターン管理能力に負けた試合となった。
[5戦目] ゆかり 1-3で降参。
メガバクーダトリパ。制限枠はファイアロー。フレフワンはLv.1。初手アロー+ハリテヤマ+ブルンゲル濃厚。トリル用の初手選出で対戦開始。
ジャローダの前にブルンゲルが出てきたのでリーフストーム+シャドーボールを集中。カメックスは守る。だが、それを読まれてブルンゲル→カビゴンのバック。ファイアローはジャローダにブレイブバード。ハリテヤマはシャンデラにはたきおとす。カメックスのアド損スタート。しかもトリル封じのシャンデラが虫の息。正直ほぼほぼ敗着盤面。
中盤カビゴンとファイアローを落とす為にカメックスしおふき。トゲキッスのこの指とまれ。を読まれてファイアローがトゲキッスに挑発。カビアローは落とせたがトリルが始まった。あとは中央メガバクーダとブルンゲルの無双。残数を減らす為にフレフワンだけ処理した。
ファイアローのポテンシャルを最大限引き出したらここまで強いというのを実感した。教材としてBVコードを残しておこうと思う。
XK4G-WWWW-WW66-Z4CA
※相手の許可を得てBVコードを掲載
[6戦目] Chihiro 4-0で勝ち。
いわゆるザリガニブイズ。制限枠はニンフィア。前回大会と違いバクーダがユキノオーに変更。ブラッキー不在も大きい。トリル用選出で対戦開始。
サンダースの光の壁警戒でよこどりから入る。相手はあまごい。おそらくザリガニの火力アップ目的。次ターンのりんしょうで1匹落とされるが、カメックスに来ないことを祈りつつタダ乗り雨しおふきを敢行。そして成功した。厄介だったブースターとサンダースを落とせた。こちらの被害はジャローダ。
後はザリガニとメガユキノオーの先制技圏内に入らないように残数を意識しながら詰めていった。
❸【成績】3勝3敗 残ポケ数11
THE微妙…。負けた試合はこちらの運と実力が足りなかった。パーティー相性は1戦目の@SURUさん以外5分5分だったと思う。
❹【所感】
パーティー相性の悪い構築と当たった時に、追加効果で大敗する試合が前回大会から続いている。残ポケ数も記録する今大会ではそれが実に痛かった。何かに憑かれているのだろうか。
私自身の実力で勝ちをもぎ取った。そう自信を持って言える試合が少ない。対面寄りの構築の動かし方が身についていないのは欠点。今後も特殊制限大会に出るなら手札を増やす訓練を始める頃合いかもしれない。或いは全てサイクル寄りに構築を組むか。
巌流島の宮本武蔵戦法強すぎ(3戦2敗)
ポケリフレをしないとニンフィアに進化しないなんて知らない。知っていたら使っていたのに…。
あおいでした。